突然ですが「人流データ」についてどれくらい理解がありますか?
私もこれまでは、「何年も前からGPSとかで人の動きの情報取れるようになってたよね」くらいなイメージしか持っていませんでした。
しかし最近仕事で、偶然人流データに触れる機会があり、理解を深める為に色々と調べてみたところ「時代はここまで進化してるのか!」と、正直驚きました。
現代はどの分野でも「マーケティング」の重要性が謳われていますよね?
そこにこの人流データを掛け合わせれば、これまで手に入れることが困難だった本当に価値のある情報を手にすることができ、マーケティングに活かすことができます!
現時点でこの「人流マーケティング」を取り入れてる企業とそうでない企業では、持っている情報に大きな差があります。
興味・関心はあるけど「人流分析って始めるのも大変なんでしょ?」と思っている方、今ここで初めて興味を持った方、絶対にこの記事を最後まで読んでください。
大袈裟かと思うかもしれませんが本当に凄い時代になりました。本記事では「人流マーケティング」に関して徹底的に解説していきます!
人流マーケティングとは?
まず結論から言えば人流マーケティングとはズバリ「人流分析データ」を活かした「マーケティング」の手法になります。
改めてマーケティングとは、商品やサービス等の販売・提供する数の目標を定め、それに向けての仕組みづくりとして顧客のニーズの理解し、そこに向けて訴求していくことを言います。
その取り組み方は様々ですが、基本的にこれまでは実績に基づいて分析する方法か、アンケートを取るなどが一般的でした。
しかしそれだけでは得られる情報も限界があります。
そこで「人流分析データ」を活かすマーケティング手法が実践され始めました。
人流マーケティングの「人流」とは?改めて解説
ここで一度「人流」について改めて解説います。
人流とは読んで字の如く「人の動きの流れ」のことを指します。
どこから来て、この次にどこへ向かうのか、その場所にどのくらい滞在しているのか、ということもそうですし、任意の道路などで、何時にどのくらいの交通量があるのか、混雑する時間帯は何時くらいなのか?なども含まれます。
人の動きを読み取ることができれば、それに応じた施策を検討することが可能になることから様々なマーケティングに活用されるようになり、「人流」と言う言葉がより広まりました。
人流分析データが注目されるようになった理由は?
近年、人流分析データの注目度が急激に高まっている理由はいくつかあります。
一つずつ詳しく見ていきます。
スマートフォンの普及
1つはGPSなどを用いた「位置情報データ(ビッグデータ)」の取得がしやすくなったと言う点です。
現代では小さな子供などを省いて、ほとんどの人がGPSを搭載したスマートフォン(携帯電話も含む)を所有しています。
スマートフォンを携帯しながら生活するのが当たり前になったことで、「人がどんな動きをするのか」と言う情報が取れるようになりました。
こうした大量で、かつ精度の高い位置情報データ(ビッグデータ)を集められるようになったのは大きな理由の一つです。
AI技術の進化
大量の位置情報データ(ビッグデータ)を集めるだけで、それを分析できなければ、それを活かすことはできません。
そこで次に要因として挙げられるのはAI技術の進化です!AI技術が年々進化することで大量に集めたデータを分析しやすくなりました。
この「情報整理の容易さ」によるメリットは次の理由にも関連します。
データ取得に対するコストが比較的安価になった
情報を集め、それを分析するフェーズにおいて課題だったのがコスト面になります。
それらがAI技術の進化によって作業コスト・費用コスト共に以前に比べて抑えられるようになったのも要因となります。
人流分析データを活かせる場が増えた
例えば昨今で言えば、コロナの影響で人流に大きな変化がありました。
コロナ禍前後での人の動きを分析するためにこのタイミングで導入された企業も多くあるかと思います。
また今回ご紹介するマーケティングにおいても、昔に比べ関心が高まっていたり、その他の面でも人流分析データがが役に立つ場面が増えてきているのも事実です。
大きな企業・有名な企業の導入
誰もが知っている有名な企業が人流データを活用し、実際に成果を上げていることも理由でしょう。
そうした情報はこれまであまり出ることがなかったのですが、現代ではインターネットの普及に合わせて、そうした情報も多く発信されるようになりました。
人流分析データではどんな情報が手に入るのか
人流分析データでは様々な情報を得ることができます。
まず一つが「人の動き」です。
先ほども少し触れましたが、その場所に人がどこから来て、次にどこへ向かうかなどの情報を手に入れることができます。
次に「移動手段・交通量」。
人が移動する際にどんな方法で移動しているのかを予測することができます。
「人口密度」もわかります。
任意の場所や時間にどれだけの人が集まっているかを把握することができます。
こうした情報はマーケティングに非常に役立ちます。
人流分析データが可能にした新しいマーケティング
これまでの説明で既に活用方法のイメージが湧いている方もいるかもしれませんが、ここからは実際にどのように活用していくのかを解説していきたいと思います。
そもそもマーケティングが必要とされる場面は様々です。
例えば新しく何かを始める時もそうですし、業績をもっと伸ばしたい!と感じた時もそうでしょう。
つまり何か課題があって、それをクリアしたい時にマーケティングが必要になるわけです。
ここでは様々な課題を元に、そうした場面で「人流分析データ」をどのように活用するのかを一部ご紹介します!
店舗の新規出店時
業態は問わず、何か店舗を新しく出したい時に課題になるのが「本当にその場所に出店して人が来るのか」とことです。
そもそも人通りが少ない場所や競合となる店舗の近くなどはもちろん避けますよね?それに、可能であれば顧客ターゲットになるような層の人が多くいる場所に出店したいと考えるはずです。
従来はそうした調査を行うのに、現地に行って自ら計測する方法しかありませんでした。
もちろんそれでも事前調査を行うと行わないのでは結果も大きく違ってくると思いますが、人流データを活用することでより多くの、正確な情報を得ることが可能となります。
新規出店の候補地が面した通りは何時にどのくらいの人が通るのか、そこを通っている人は何歳なのか?男性なのか女性なのか、などの情報から、その人たちがどこから来てその場所にいるのかも把握できます。
つまり実際に出店を検討する際に活用できるだけでなく、出店後の広告活動などにも活かせるということです。
競合店の調査や周辺施設との関連性の調査も可能
人流データは競合店がどれくらいの集客をしているのかなどの調査も可能にしました。
また、人がどこから来て、どこへ行くのかを把握できるということで、周辺の施設との関連性も見えてきます。
例を挙げると、会社員の男性が多く利用する駅があった場合、その駅を利用する人がどんなお店に立ち寄るのかを知ることで、その場所にどんなニーズがあるのかを知ることができるというわけです。
これらは店舗を構えている人にとって非常に有益な情報といえます。
広告・宣伝の検討やその効果の分析
これまで広告やキャンペーンの効果を感覚的に捉えることは出来ましたが、それを可視化するのは困難でした。
ここにも人流データを活用できます。
例えば屋外広告を出そうと考えた場合、まず場所選びをする必要があります。
従来は、確かに人が集まる場所であっても、そこにターゲットとなる属性の人が多く集まっているかどうかまでは把握しずらかったですが人流データによって的確にターゲットに向けた広告の掲載が可能となります。
また、その広告によってどれだけ集客に影響があったのか、別の場所に広告を出した時と比べて効果にどのような違いがあったのかを分析することができます。
スーパーなどではビラ配りやポスティングなども行いますが、それもどの場所で行えば一番効果的なのかということを検証することができます。
このように広告や宣伝の場面においても人流データは大いに活用できます。
施設建設の場面
最初に紹介した店舗出店の場面と似ていますが、大型の複合施設や公園などの建設においても活用できます。
こうした大きな施設などはどこに施設を建設するのかで、その結果も大きく変わってくることから不動産業やデベロッパーにとってこうした細かな情報はとても価値があります。
また複合施設であればテナント募集のフェーズにおいても、先方に対ししっかりとしたエビデンスを提示できるというメリットがありますし、OPEN後の運営にも非常に役立つでしょう。
行政や自治体にも活用されています
商業のみならず行政機関や各自治体などでも人流データは活用されています。
例えばハザードマップの作成においては、交通量や普段の人の動きのデータがとても役立ちます。自治体に関しては観光スポットや催しの際の集客情報の調査から周辺施設への流れまでを把握することができます。それらを活かして地域活性化を図ったりすることもできます。
いくつか挙げましたが、このように様々な業態に様々な形で活用できるのが「人流データ」です。
このように人流データを使ったマーケティングが一般化してきていることで、サービスを提供する側にとっても受ける側にとっても大きなメリットを与えてくれます。
人流マーケティングに最適なツール3選
次に「人流マーケティング」を検討されている方に、最適なツールをご紹介します!
Datawise Area Marketer
製品名 | Datawise Area Marketer(データワイズ・エリア・マーケター) |
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主な機能 | ・施設来訪者分析機能(アンケート分析) ・階層判別機能 ・商圏分析 ・エリア人口動態分析 ・ターゲットメッシュ分析 ・時系列比較 |
公式サイト | https://www.datawise.co.jp/ |
NTTドコモのdポイントクラブ会員8700万人以上の位置情報データを分析した人流データを提供しているサービスです。
冒頭でお伝えした実際に私が知って、驚いたサービスというのがまさにこちらです!
これまで人流データに興味はあっても、そのハードルの高さから導入を見送っていた企業などにとっても導入しやすい、直感的に扱える人流データツールとなっています。
公式サイトにて機能に合わせた活用方法なども紹介されているのでイメージしやすいです。
MarketAnalyzer™ 5
製品名 | MarketAnalyzer™ 5(マーケットアナライザー・ファイブ) |
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主な機能 | ・商圏作成機能 ・エリア検索 ・Excelレポート自動作成機能 ・相関機能 ・スコアリング機能 ・ポイント登録機能 |
公式サイト | https://www.giken.co.jp/products/marketanalyzer/ |
2,000社以上の導入実績があり、そのノウハウを活かしたマーケティングのサポートを行なってくれるサービスです。
操作性や拡張性にも定評があり、サポート体制も充実しています。
Location Analyzer
製品名 | Location Analyzer(ロケーション・アナライザー) |
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主な機能 | ・来訪者属性分析 ・3地点来訪者居住地分析 ・併用分析 ・滞在人口分析 ・拡張集計オプション ・地図基本機能 |
公式サイト | https://k-locationanalyzer.com/ |
最後に紹介するのはKDDIの「Location Analyzer」です。
こちらはauの位置情報データを分析したツールで正確、詳細な分析を提供しています。
人流マーケティングの未来
ここまでで人流マーケティングについて理解を深めて頂けたかと思います。
現代ではこれほどまでのデータ分析が可能で、様々なシーンに活用されていることに本当に驚きます。
これからの未来は更なるAI技術の進化やIT業界の発展に合わせて、より人流分析は注目されていくでしょう!
そしてそれを活かした人流マーケティングもより一層ポピュラーなものとなり、現時点では大きな企業や行政など、限られた方達が使うサービスのイメージですが、今後は中規模、小規模の企業なども扱えるようなものになってくるかも知れません。
そうした未来は私たちのような一般的な消費者にとっても大きなことです。
これからの人流マーケティングと、それによる未来が本当に楽しみです。